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#刑吏 #処刑の儀礼性 #中世都市 #名誉をもたない人びと #穢れと社会的排除 #
阿部謹也『刑吏の社会史』は、中世ヨーロッパ、とりわけドイツ語圏の都市社会を主な視野に、死刑執行人である刑吏がいかに「名誉をもたない」存在とされたかを追う社会史の書である。中心にあるのは、処刑を単なる犯罪者への制裁としてではなく、共同体の秩序、穢れ、恐怖、権力、そして排除の観念が交差する行為として読む視点だ。本書は、かつて共同体的・儀礼的な性格をもった処刑が、都市の形成と社会関係の変化のなかで専門職に委ねられ、その担い手が差別されるに至る過程を考察する。刑吏の職務、生活上の制約、周縁的な仕事を検討することで、法制度の表面だけでは捉えられない民衆意識と都市秩序の構造を描き出す。刑罰史であると同時に、社会が必要としながら遠ざける人びとをどう生み出すかを問う歴史社会学的な入門書でもある。