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#日中戦争の戦線拡大 #南京難民区の百日 #現地調達主義と兵站 #捕虜・敗残兵の不法殺害 #犠牲者数推計と否定論 #
『南京事件 新版』は、中国近現代史を専門とする笠原十九司が、1937年の日中戦争拡大と南京攻略の過程で生じた日本軍による不法な殺害、略奪、性暴力などを、軍事行動・政策決定・同時代史料の連関から検討する歴史解説書である。岩波新書の旧版を増補した新版として、事件がなぜ起こり、どのように推移し、戦後にどのような論争の対象となったのかを見通せる形で示す。中心的な目的は、犠牲者数だけを切り離して論じる見方や、数字の不確定性を事件そのものの否定へ結び付ける議論を批判的に検討することにある。本書は残虐行為を単発の逸脱として扱わず、戦線拡大、補給の不備、捕虜政策、軍紀、占領統治という条件の重なりとして分析する。南京事件をめぐる認識の対立を意識しながら、史料をどう読み、歴史的責任をどう考えるべきかを問う入門的かつ論争的な一冊である。