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#銘醸地神話 #宿命的風土論 #醸造技術の進歩 #ブドウ品種の選択 #つくり手の思想 #
『ワインづくりの思想 銘醸地神話を超えて』は、醸造家・麻井宇介が、良いワインを生む条件を技術、品種、産地、そしてつくり手の意志という複数の角度から考察したワイン論である。主題は、ボルドーやブルゴーニュのような歴史的銘醸地だけが偉大なワインを生むという固定観念への問い直しにある。戦後の醸造技術の進展とブドウ品種の国際的な普及により、ワイン生産は旧来の地理的・文化的な序列だけでは説明できなくなった。本書はその変化を単なる新興産地の成功談として扱わず、ワインが何を表現すべきか、醸造家はどのような判断を担うのかを問う。文化・歴史・科学の知識を踏まえつつ、実際の醸造経験に根差して論じる点に特色がある。産地名や評価の権威に頼らず、ワインをつくる営みそのものを理解するための思考の本である。