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#歴史の地下水脈 #軍事主導国家 #五つの国家像 #尊皇攘夷の地下水脈 #天皇の人間宣言 #I
保阪正康『近代日本の地下水脈Ⅰ 哲学なき軍事国家の悲劇』は、明治から太平洋戦争の敗戦までを対象に、日本がなぜ軍事を優先する国家となり、無謀な戦争と甚大な人命損失へ至ったのかを考察する近現代史の論考である。著者は昭和史の取材・研究を長く続け、多数の関係者への聞き取りを重ねてきたジャーナリストであり、本書では出来事を年表的に追うだけではなく、その選択を繰り返し支えた思想的・制度的な流れを「地下水脈」と呼ぶ。焦点は、軍事主導が政治と経済をどう変形させたか、明治初期に存在した複数の国家像がなぜ狭められたか、そして戦後の民主主義は何を断絶し、何を引き継いだかにある。通史の入門性を持ちながら、国家の失敗を単なる指導者の誤判断に還元しない点に本書の特色がある。