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#啓蒙主義 #理性 #科学 #ヒューマニズム #進歩 #21
本書は、認知科学者スティーブン・ピンカーによる啓蒙主義擁護の大著エンライトメント ナウの邦訳文庫版 下巻であり、理性、科学、ヒューマニズム、進歩という四つの柱を現代に引き戻すことを目的とする思想書である。ニュースの刺激的な事例や悲観的な言説が、世界の長期的な改善を見えにくくしているという問題意識から出発し、現状評価には印象ではなく測定が必要だと説く。下巻では、進歩を示す統計的な概観に加えて、宗教や哲学的反論、知識人文化に見られる反啓蒙の潮流、そして人間中心の倫理としてのヒューマニズムの正当性がより前面に出る。啓蒙の理想が脆弱になり得る現代に、どのような知的態度で社会を理解し、改善のために行動するかを問う一冊である。
本書は、世界が抱える問題を軽視するためではなく、改善の可能性を現実の根拠に結びつけて考えるために、啓蒙主義の枠組みを再提示する。とくに下巻は、進歩を示す話に加えて、理性や科学、ヒューマニズムがなぜ攻撃され、なぜ守る価値があるのかという思想的争点に踏み込むため、社会批評や哲学的議論に関心のある読者に向く。ニュースやSNSで流通する危機言説に疲れた人、悲観と怒りの循環から距離を取りたい人にとっては、長期的視点で状況を評価する補助線になるだろう。実践的な利益は、データに基づく判断の姿勢、反対意見を検証可能な形で扱う作法、そして公共の議論を感情や権威から証拠と理由へ引き戻す態度を身につけられる点にある。同系統の現状認識本と比べた際の特色は、単に世界は良くなっていると述べるだけでなく、その認識を支える知的基盤として啓蒙の価値を明確に擁護し、反啓蒙の批判に応答する構えが強いことだ。進歩を信じるか否かではなく、どうすれば進歩を起こし続けられるかを考えたい読者に、強い思考の足場を提供する。