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#三式戦闘機「飛燕」 #液冷エンジン #ダイムラー・ベンツDB601 #本土防空とB29迎撃 #五式戦闘機への転換 #
碇義朗『戦闘機「飛燕」技術開発の戦い』は、第二次世界大戦期に川崎航空機が開発した陸軍戦闘機・三式戦闘機「飛燕」(Ki-61)を、技術史と産業史、人間の努力が交差するノンフィクションとして描く書である。主題は、優美な機体形状で「和製メッサー」とも呼ばれた飛燕の性能評価だけではない。日本では稀有だった液冷エンジン戦闘機を実現しようとした設計者、製造現場、試験に関わる人々が、限られた技術基盤と戦時下の生産条件のもとで直面した困難に焦点を置く。飛燕は高速性と運動性の両立を期待された一方、搭載した液冷発動機の量産・整備上の問題に制約され、本来の能力を十分に発揮しにくかった。本書はこの落差を、単なる「失敗」や「名機」の物語に還元せず、開発思想、工業力、戦局の変化を結び付けて理解するための視点を与える。