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#流言蜚語 #メディア史 #関東大震災後の朝鮮人虐殺 #公式情報への信頼 #フェイクニュース #
『流言のメディア史』は、メディア史研究者・佐藤卓己が、根拠の定かでない情報が社会でどのように生まれ、広がり、信じられ、時に政治や暴力と結び付いてきたかを歴史的に考察した岩波新書である。本書の対象は、単なる誤情報の事例集ではない。「流言」を、近代的な新聞・通信・放送だけでなく、口頭の伝達、うわさ、風説、宣伝、報道への信頼といった情報環境全体のなかで捉え直す点に特色がある。著者は、流言を非合理な大衆の逸脱として片付けず、不確実性、社会不安、既存メディアの制度、受け手の解釈が交差する現象として扱う。インターネット上のフェイクニュースが注目される現在を視野に入れつつ、問題の根はデジタル技術だけにはないことを示す。情報の真偽をめぐる現代的な不安を、長いメディア史の文脈へ配置するための一冊である。