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#困難な意思疎通 #小さな願い #人生会議(ACP) #ホールディング #存在の肯定 #
『ケアとは何か―看護・福祉で大事なこと』は、現象学的な質的研究を専門とする村上靖彦が、看護・福祉の実践において「ケア」と呼ばれる営みの核心を考察した中公新書である。病気、けが、衰弱、死、貧困など、人が自力だけでは対処しきれない苦境を出発点に、ケアを単なる治療技術やサービス提供としてではなく、生を肯定し、その人が生きていることを支える実践として捉える。当事者やケアワーカーへの聞き取りを基盤にしているため、理念を一方的に提示するのではなく、意思を表しにくい人との関わり、小さな願いの実現、居場所や存在の支えといった現場の論点から議論が組み立てられる。看護・介護の専門職向けの手引きにとどまらず、育児、地域福祉、貧困支援にも通じる「当事者主体」とは何かを問い直す、実践に近い哲学書である。